――こ・・・てつ、さん

そんな熱にうなされたような声で呼ぶなよ

――こてつ、さん

だから、そんなに震えた腕で抱きしめるなよ

――こてつさん

お前の熱が移って、こっちまでおかしくなりそうだ






Come on baby, I love you!





ジェイクとの死闘を終え、街に平和が訪れた。互いに満身創痍、同じ病室で入院すること
数日。バニーがふと、こんなことを言ってきた。

“虎徹さん、あなたのことが好きなんです”

俺は迷わずそれはlikeかloveどちらだ、と聞けば迷いなく、loveだと言った。俺は
子持ちやもめの中年だぜ、と聞けば、僕にとっては何の障害でもありません、と答えた。
プラトニックなお付き合いってことか、と聞けば、延長上でセックスがしたいですとか
言ってきやがった。じゃあお前はそうゆう趣味なのか、と聞けば、いいえ、あなたが
初めてですと言ってきた。抱きたいの?抱かれたいの?と聞けば、僕があなたを抱きたい
です、とはっきり答えた。そういやお前女性経験あるのかよ?と聞いたら、無いです、と
これまたはっきり宣言しやがった。
童貞の気の迷い、そう決めつけることができないほどバニーの目はまっすぐとこちらを
見つめていた。小さく息を吐いて、いいよ、と答えた。答えは最初から決まってる。
向こうが言ってこなかったらこっちが言ってたかもしれない。それほどまでに俺自身
バニーちゃんを大事にしていたから。お前が欲しいなら俺の全部くれてやる、そう
答えれば、バニーが柔らかく笑った。

退院し、スキンシップの意味を含めて互いの家を行き来するようになった。後から知った
ことだが、どうやら告白すら初めてだったバニーは当然デートだのスキンシップだのの
知識が全く無い。面白いほど無い。好きにしていいぜ、と言うと頬や唇、顎のラインなど
露出している部分にぺたぺたと触れ、頬摺りし、軽いキスを落とす。その程度だ。子供が
初めて触れるおもちゃに興味を持ったみたいな、そんなスキンシップ。しかも、緊張か
興奮か震える手で触れてくるからこっちの方が罪悪感が芽生えてくる。それに慣れさせる
ために、互いの家に行くと必ずバニーの足の間に座るようになった。そうすれば、バニーの
腕をとって背後から抱きしめられる体勢が取りやすかったし、バニーもバニーで正面から
見つめあわなければ少し大胆なスキンシップもできる。後ろからぴったりと抱きしめられ
頬と頬をあわせ、唇のほんの隣にキスをする。それでも顔を真っ赤にするから、どうして
いいのか分からなくなってきた。
根気強く、逃げるバニーの頭を押さえてキスをしてやった。触れるだけのキスの合間に、
「口、開けて」と囁けば少し戸惑ったものの素直に開いて舌を受け入れてくれた。だが、
いつまでたってもバニーは積極性を見せることはない。それどころか真っ赤になって、
俺を引き剥がすと文字通り脱兎のごとくトイレに逃げ込んだ。

あのなぁ、お前は真っ盛りの中学生かよ・・・

本気で俺を抱く気あんのか?などと何度か疑問に思うこともあったが、それでもバニーは
ちゃんと教えられたことを学習し、誠意は見せた。だが、見せて欲しいのは誠意じゃない、
下心だ。
俺だって男同士は初めてだが、女性との経験はある。その経験があって今楓がいる。
初めてトモエに触れたときのドキドキもカッコつけようと頑張って無理したことも、
傷つけまいと色々気を張ったことも、男だからバニーの気持ちが痛いほどよく分かる。
よく分かるから、早くそのバニーの中の恐怖心を取っ払いたかった。だが、それを
言葉で伝えようとしても、きっと上手く伝わらない。今自分たちに必要なのは言葉
なんかじゃない。もう次はない。
そんなことを考えていると、トイレからバニーが戻ってきた。俯いて小さく「すみません」
って言うから、可愛くて愛おしくてどうしようもなくて抱きしめてやった。さっきより
少しだけ熱が治まってる。

なぁ、バニー。さっきトイレで想像してた俺はどんなに純粋で従順で淫乱だった?

可愛すぎる愛すべき24歳の童貞を抱きしめながら、俺は覚悟を決めた。





************************************





「あの・・・虎徹さん・・・ちょっと・・・」

背後からぴったりと抱きしめていたバニーが急に俺の背に手を突いて、距離を置こうと
し始めた。

「何?」
「ちょっと・・・と、トイレに・・・」
「何で?」
「なぜって・・・その・・・」

ワザと腰を揺すってバニーの熱に擦りつければ、バニーが小さく息を飲むのが分かった。

「こんな状態でトイレに行って何出すんだ?」
「・・・下品ですよ・・・」
「下品で結構。俺に気品なんて求める方が間違ってる」

そう言って体を反転させるとベルトのバックルに手をかける。

「だめです!放して下さい!」
「何がダメなんだ?こんなに熱持ってるのに」
「だめです!本当にだめなんです!」

まるで女のようにだめだめばっかりいうのを無視して、さっさとファスナーを下ろし、
下着を見れば既に先走りで濡れていた。こりゃダメだって言うわけだな。羞恥から手で
顔を覆っているものの、真っ赤になった耳が見えてそれが可愛く思えた。こちらが見えて
いないことをいいことにそのまま下着をずらしてやれば、自身が勢いよく飛び出てきて
思わず笑ってしまいそうになった。だが、笑っちゃいけない。こういう場面で笑われるのが
男にとってダメージがデカいんだ。
小さく咳払いして、改めてバニーのそれを見てみる。さすが白人、今まで使ってなかった
のがもったいないくらいの長さと太さだ。ただ、色は勃起状態でありながらそこまで黒くは
ない。元々肌の色が白いし、使い込まれていないからだろう。これだったら舐められる気が
する。既に先端からつぷりと溢れている滴にそっと舌先を這わす。一瞬でビクリとバニーの
体が震えたから慌てて離したものの制止する声を無視してゆっくりと根本から舐めあげた。
やめて下さい、という言葉の語尾が熱で溶けて消える。舌先に感じる先走りの苦さすら今は
愛おしい。幾度となく全体を舐めあげたっぷり唾液で濡らすと、根本に手を添え、先端を
唇に当てる。そのままゆっくりと咥内に挿入させ、歯が当たらないように根本近くまで
受け入れ、ゆっくりと上下し始める。疑似挿入のような感覚に、バニーは頭を振って
拒否するものの、腰が揺れるのを止められず、何度かえずきそうになるほど奥まで
入れられた。
先走りの苦みにも慣れ、酸欠でほんやりする頭でバニーの甘くなく声を聞いた。それだけで
自分もまた興奮しているのが分かる。
このまま挿れさせようか?いや、このままだと挿れた瞬間イっちまうかもしれない。
そうなるとショックだろうし、後々トラウマになられても困るからな。男はこういう
ことは本当にデリケートだ。こんな中年のおっさん相手でもバニーの初めてはできるだけ
気持ちいい思いだけして欲しい。ならば、いったんここはイかせるか。
速度を上げて頭を上下し、強く吸い上げれば、快感に逆らうことなく、小さな悲鳴を
上げてバニーは射精した。何度か痙攣し、最後の一滴まで出すと、ぼふっと音を立てて、
バニーはソファーの背もたれに身を沈めた。予想した以上の量と粘度に何度か苦戦
しながらも、咥内のものを全て飲み込む。こんなもんよく女性は飲めるな、と思うが、
要は愛情なんだろうな、と思う。愛情がなきゃこんなまずいもん苦しい思いをしてまで
飲みたいとは思わない。射精後の倦怠感でぼんやりとしているバニーの表情は可哀想な
ほど蕩けていて、このまま続きをしていいのか迷ってしまう。だが、迷っていても
しかたない。バニーが襲ってくれるのを待っていたって何も始まらないんだから、
このまま進むしかない。

「バニー、おい、バニー」

軽く頬を叩いて意識をこっちに向けさせる。未だぼんやりしてるが、こちらに視線が
向いた。まだ薄く開いた唇から荒い息が漏れているが、小さく頷いてくる。

「ベッド行くか?」

手を差し伸べればそのまま腕を取られて抱きしめられた。初めて人の口の中で射精
したんだ、まだ混乱してるのかもしれない。こちらも腕を回して頭を撫でてやる。
大きく上下していた胸も徐々に落ち着いてきた。

「ごめん、な・・・さ、い・・・ベッドに・・・」

もう一度宥めるように背中を撫でて、ゆっくりと立ち上がった。





************************************





ベッドまで移動して、照明を落とした。一応ベッドサイドの照明だけ薄くつけたものの、
目の悪いバニーがこの暗さで見えるのかどうか不安だった。だが、もともと間接照明を
好むバニーはこの暗さに慣れてるようで、ぎこちない手つきだが自分だけじゃなく俺の
分の衣類まで脱がせてきた。
裸になったものの、バニーはどうしていいのか分からないらしい。たぶん、バニーの
知識は学校で習う保健体育程度なんだろう。性行自体は理解してても、その流れについては
知識がないように思えた。さすがにここからは今まで教育したことがない。裸になったまま
縮こまるバニーの腕にそっと触れて、安心させる。

「おいで・・・」

そう言って腕を取り抱きしめてやる。びっくりするほどバクバク鳴る心臓に思わず笑い
出したくなったが、それすら可愛い。可愛い可愛いバーナビー。

「キスして」

耳元でそっと囁けば、おずおずとだが唇に触れてきた。キスが徐々に深くなってくるのを
見計らって、背に回していた腕をわき腹や胸元に触れる。その度にビクビク震えられるが、
バニーも誘われるように俺の身体のあちこちに触れてきた。前戯らしい前戯ではないが、
それはこれから学習していけばいい。まずはこんな触れ合いに慣れてもらわなきゃいけない。
心のままに触れる、そんな当たり前のことをバニーは知らない。それを教えてやるのは
俺の役目だ。
放っておけばこのまま一晩越えてしまいそうだから、軽く背中を叩いてストップをかける。
お預けを食らった犬のようなバニーの額に軽くキスをして頭を撫でた。ベッドサイドの
引き出しからローションを取り出すと、それをぽふん、とバニーの前に投げる。

「意味、分かる?」

問えば、真っ赤になりながらもコクコクと頷いた。意味が分からなかったらもうこっちが
犯してやろうと思ってたがそれも杞憂に終わったみたいだ。
もし、もし告白がもう少し前のツンツンしてた頃に受けてたら違っていたのかもしれない。
あの頃のバニーだったらこんな風に俺に気遣いもせず無理矢理奪ってくれるのかもしれない。
下手したら告白もせず、自分の身体の欲求のまま俺を無理矢理組み敷いて、泣こうが
喚こうが止めてくれない感じがする。正直そっちの方が気が楽だった。だってそうだろ?
37年も男として生きてきて、本能のまま異性を求めて子供まで作った俺が、一回りも
下のガキに掘られるんだ。こんなわざわざ自分から準備して、手取り足取り教えて
やるんじゃなくて、拒絶したのに無理矢理ヤられたっていう方が気持ち的にも楽だ。
でも、もういい。バニーの俺を大事にしようという気持ちも優しさもちゃんと知ってる、
分かってる。この年になってこんなにも大切にされるくすぐったさを知ったから。
あの若い頃のような恋愛がもう一度できる訳じゃないけど、こうやって触れるだけでも
嬉しいっていう感覚を思い出させてくれたから。ならば、自分の手でバニーを導くのも
悪くないって思えるようになった。それにこうやってバニーを一から教育するっていのも
なかなか乙な気がしてきた。こいつが快感を知ってどんな風に色のある大人になるかが
楽しみになってきた。
ごろりと横になれば、自然とバニーが覆い被さってきた。チューブからローションを
指先に取り出すのを確認してこちらもそっと足を開く。ゆっくりと後孔に指先を
這わせると、冷たさに一瞬ビクつくとバニーまで驚いてしまった。

「大丈夫だって、冷たくて驚いただけだけだから」

体を支えている腕にそっと触れれば、安心して指先を埋めてきた。一本をつぷつぷと
抜き差しする。恐る恐る触れる感が拭えないが、仕方ない。一応こちらも事前に男同士の
セックスを学習して、さっき社を出るときにジムのシャワールームで後ろを洗っておいた。
万が一、バニーが先走ってしまったり十分に解せなかった場合のことを考えて、自分で
洗って解しておいた。だから一応は慣らしてあるが、ちゃんとバニーに前戯の知識を
植え付けておく必要がある。

「もうちょっと、奥まで来いよ・・・」

小さく頷いて、第一関節しか入っていなかった指をゆっくりと根本まで埋め込む。大きく
抜き差しされ、こちらも徐々に息が上がってきた。体内で感じる指に意識を集中させながら、
僅かに沸き起こる快感を丁寧に拾っていく。
今までずっと与えるセックスしかしてこなかったから、一応教育してるとはいえ受動的な
セックスは何だか居心地が悪い。視界に映ったバニーのJr.の先端から一筋の銀糸が伝って
いる。それが可愛くて手を伸ばして先端を撫でてやれば、バニーがびっくりしてこちらに
睨みつけてきた。反応一つ一つが可愛くて仕方なくて笑ってやれば、噛みつくように
キスをしてきた。
それでいい、本能のままに、獣になって喰らいついてくれれば。
それを切欠に指も二本に増え、キス以外の愛撫も増えてきた。首筋に、鎖骨に、乳首に
小さく唇を落として拙いながらも愛撫をしてくる。
これから幾度もセックスをして、その度にどんどん学習して、そうして羞恥も常識も
取っ払った濃厚なセックスができるようになるのは時間の問題だろう。こいつに
めちゃくちゃに喘がされるのが今から楽しみだ。若い男を恋人にする中年女性の気持ちが
ちょっとだけ分かる気がした。

「もう、いいですか?」

俺以上に顔を真っ赤にさせながら聞いてきた。つい悪戯心で俺よりお前が限界なんだろ?
と聞いてみたくなったがぐっと我慢する。バニーの先走りでシーツが点々と濡れているのを
知ってるから、言葉に出さずに小さく頷いた。三本でトロトロにされた後孔から指先が
引き抜かれる瞬間、思わず声が漏れてしまう。ローションだけではない滑りに今度は
こちらが顔を赤くしてしまった。

ローションと一緒に取り出したコンドームを差し出せば、ぎこちないながらもきちんと
着用できた。あぁ、こういう知識はちゃんとあるんだな、と安心する。

「虎徹さん、虎徹さん・・・こてつさん」

もうどうしようもない感情が溢れて、どうすればいいのか分からずひたすらに名前を
呼ぶことしかできないんだろう。もういっぱいいっぱいなバーナビー。可愛い愛しい
愛すべきバーナビー。

「来いよ、バーナビー」

小さく頷いて、後孔に熱い先端が押し当てられる。それを合図に俺は大きく息を吸って
ゆっくりと吐き出した。合わせるようにバニーがぐっと押し進めてきた。

「っい!・・・ぅあ・・・」

一番太い出っ張りの部分で耐えきれずに息を詰めてしまう。その瞬間、力が入ってしまい
バニーを締め付けてしまった。二人とも息を詰めて痛みに耐える。浅く荒い息を繰り返し
ながら痛みをやり過ごそうとするものの上手くいかない。

「わり・・・ちょ、っと・・・待、て・・・」
「ごめん・・・なさ、い・・・抜き、ますか?」

申し訳なさそうに聞いてくるからふるふると首を振って否定する。もう一度大きく深呼吸
すれば、身体から徐々に力を抜くことができた。

「このまま・・・抜くな・・・」

次の深呼吸のタイミングで、バニーがゆっくりと押し進めてきた。今まで感じたことの
ない衝撃に息が出来なくなる。何をしているのか分かってるはずなのに頭がパニックを
起こしている。密着するバニーの背にしがみついて、体の中で暴れる熱に耐えること
しかできない。

あついあついあついいたいあついあついきもちいいあつい

抱きしめてくる身体も、腕も、中を犯すものの熱も、とにかく熱くて熱くて頭も身体も
溶けてしまう。耳元で感じるバニーの吐息も熱く荒くて、必死で快感に耐えているのが
分かった。クールでスマートを自称してる奴の、本来のありのままの熱を感じる。
自分だけが知っているバニーの熱さ。どうしようもなく、胸が締め付けられる。

動いていいから

喘ぐ呼吸の中で、途切れ途切れだがなんとか伝わったらしい。あやす様に背を撫でて
いると密着していた身体を少し離してバニーが小さく頷いた。チュッ、とこんな時でも
可愛らしいキスを一つ、合図の意味を込めて落とされる。大きくゆっくりと抜けていく
感覚が分かって、次の瞬間、視界を大きく揺すぶられた。

熱と衝撃と揺れる視界の中で、泣きそうなくらいに満たされていく愛おしさでただ
ひたすらにバニーにしがみついた。声を堪えようと思っても奥深くまで突き上げられる
度に息と共に甘えた声が漏れてしまう。恥ずかしいと思うけれども、堪えられない。
バニーもまた、熱い吐息に紛れて耳元で何かを囁く。

好きです
好きなんです
気持ちいい
止まんない
どうしよう
愛してる

虎徹さん
虎徹さん
こてつさん

拙いながらも本能のままに懸命に腰を振ってくるのが愛おしい。気持ちいい箇所に
なかなか当たることはないが、それでもよかった。触れてくる熱が心地よかった。
熱に浮かされて快感で思考が溶けて本能のまま訳が分からない中で溢れる感情を誤魔化す
ことなく素直に口にする。もう嫌だ。こんな風に甘く蕩けるような声で名前を呼ばれたら、
もう本当にどうしようもなくなる。もう自分が自分でいられなくなる。自分の中の何かが
いっぱいいっぱいに満ちて溢れてしまいそうだ。背に回した手の指先に力を入れようと
しても、汗で滑って上手くいかない。このままこの手が、中が、全部絡まって溶けて一つに
なればいいのに。
呼ばないで、止めないで、でももっともっと欲しい。
初めての快感で強弱もつけられずに全力でぶつかってくるバニーの熱さにもう、限界が
近づいてきた。

甘い時間がもうすぐ終わってしまう。
バニーの初めてが終わってしまう。

バーナビー
バーナビー

愛してる



ぎゅっと抱きしめる腕に力が籠もり、視界も今まで以上に大きく揺れた。
愛おしくて切ない刹那の熱が、もうすぐやってくる。
















































2011.07.08 しゅう

デレバニが童貞だったらどうなるか書いてみたらとんでもない事になってしもたwww
昨日一生懸命織姫様と彦星様に「バニーのツンを返してください(´;ω;`)」ってお願いしたんですけど叶うんですかね。
どうなんですかね。
どっちにしろうちのバニーは童貞乙ですwww