【13話視聴済推奨】
how much I love you
「虎徹さん」
耳元で囁かれる声がくすぐったくって、声を殺して笑う。
「なに笑ってるんですか、虎徹さん」
耳の裏の付け根にキスされて、思わず声が漏れてしまった。
「虎徹さん、何がそんなにおかしいんですか?」
一度スイッチが入ってしまったから、堪える事が出来ずにくつくつと小さく笑う。まだ回復しきっていないから、笑う度に痛みが走って、イテ、と声に出してしまった。
その度に、背後から抱きしめている手が、優しく胸や腹を撫でてくれるから、またくすぐったくなってしまう。そのやりとりがさっきからずっと続いている。
「笑う度に中締め付けられておちおち休めないんですけど」
言うや否や、未だ挿入されたままのそこをゆっくりと大きく突き上げられる。何度か射精した後だから勃ってはいるものの硬度はそこまで堅くはない。射精の為じゃなく、じゃれるような柔らかい快感に、今度は笑い声じゃなくて吐息が漏れた。たっぷりとお湯の張られた湯船に体を沈めるような、そんな心地の良い気持ちよさ。
お返しに、と今度はこちらが締め付ける。こっちはじゃれるよりも、次を促すように少し強めに。
「んっ・・・ぅ、あ・・・」
だが、解れきった後孔では上手く手加減が出来ずに、思ったよりも強く締め付けてしまったのかもしれない。中に埋まったものが一段と堅く、大きくなるのが分かった。広げられる感覚に、うっとりと声を漏らす。胸を抱く手を取って、その指先に口付けた。
「さっきから何ですか、笑ってばかり」
そう言って項を噛まれて、ピリッとした痛みと快感に小さく体を震わせる。
「んー名前を呼ばれるセックスって気持ちいいなーって思ったら、意外と自分が純情なんだなーって。そう思ったらなんだか照れくさくってさ」
名前を呼ばれる度に、胸の中に温かい何かが満ちていってこぼれ落ちるのを感じだ。自分の心の中に一歩ずつ進入されてしまうような、これ以上入ってきてほしくないのに、どこかでそれを求めている自分がいる。入って欲しくないのに、入って、乱して欲しい。そしてそんな心の中をバーナビーだけで満たしたい。そんな感覚、久々すぎて、眩しすぎて、どうしていいのか分からなくなって、ただ、目の前の男にしがみついて、同様に名前を呼ぶことしかできなかった。
「純情?何度もイったのに未だに銜え込んで離さないで次を強請るようないやらしい穴の持ち主のくせに?」
ねぇ、虎徹さん、と耳の穴を舌でなぶられ、囁かれるとどうしようもなかった。無意識に締まる後孔を抑える事なんてできず、二人とも、息を詰めて快感に耐えた。
甘く低い吐息が耳元に注がれる度に、追いつめられる気がする。
「こう見えてもおじさん純情なのよ?」
「どこがですか?」
「純情で恥ずかしがり屋さんだから、セックスの最中に名前呼んだり、顔見ながらできなかったの」
身を捩らせて埋まっているそれを引き抜く。たっぷりと濡れてちゅぽんとなる音も、栓を失ってとろりとこぼれる白濁の液も、もはや快楽のスパイスでしかない。
「嘘も方便ですね。でも、確かに気持ちいい」
動く度にこぼれるのもかまわずに、横になっているバーナビーを跨ぐ。彼も体をずらして仰向けになると、腰に手を回してきた。
「そんな純情な虎徹さんは、名前呼ばれるだけでいつもの倍セックスを強請るほど淫乱なんですね」
一回目は、名前を呼ばれながら突き上げられ、ずぶずぶになった思考でバーナビーの名前を呼び続けながらイった。それが可愛くて愛おしくてどうしようもなくて、上に跨り、快楽に溺れとろけそうなバーナビーの表情を見ながら、甘く低い声が俺の名を呼ぶのを聞きながらイった。
普段なら二回までとしているが、普段はしない、名前を呼び合うという行為で何かのリミッターが外れ、そのまま三回、四回とヤってしまった。
四回目の射精の後、もう無理だ、と思っていても、名前を呼ばれると、なんだかムズムズして、もう1回と思ってしまう。
「バーナビーが俺の名前呼ぶからこうなっちまうんだろ?」
「それは光栄ですね、虎徹さん」
「名前呼ぶの、ベッドの上でだけにするぞ」
「どうしてですか?せっかく呼んでくれるようになったのに」
「どこでも欲情しちまう。公共の場でセックスすんのはアウトだろ」
「僕は構いませんが?スリルがあっていいと思います」
「バーッカ、面割れてる奴がそんなこ・・・と・・・ッア・・・ん・・・ふぁ・・・」
会話の間、ずっと中を掻き出すように動いていた指先が、前立腺を刺激し、快感を与える動きに変わった。
リミッターの外れた思考と体は、羞恥心を忘れ、与えられる快感に声を抑えることも出来ない。
「バッ・・・ナ、ビー・・・ぁあ・・・ん、・・・バーナ、ビー・・・」
「いちいち腰にくるんですよ、虎徹さん」
指が一層奥へと潜り込んで、腰が揺れてしまう。堪えることが出来ずに、バーナビーの手をそっと外し、手の甲にちゅっと口付ける。快感を与えてくれるこの綺麗な手が、好きだ。
その手を離し、すでに限界にまで張りつめたバーナビーの性器に手を添え、くちゅりと後孔で口付けた。俺をめちゃくちゃにしてくれるこれが、もっと好きだ、って言ったら笑われるだろうか?
「なぁ、バーナビー」
「何ですか?」
「愛してるから、もっかい天国見せてくれるか?」
「愛する虎徹さんの為なら何度でも」
互いに口角に笑みを称え、その唇に噛みつくようにキスをする。ゆっくりと腰を下ろし、生み出される快感の中で、あと何回、コイツの名前呼びながら天国みるんだろう、なんて考えてみた。
2011.06.27 しゅう
13話を観た反動がこれだよ!www
正直な話、最中より、事情後事情前のいちゃいちゃ書くほうが好きなんだお。