With me




















バニー宛に送られたバスアイテムの内の一つに見慣れた黄色と白のマーブル模様のアイテムを見つけた。確かこれは楓の大好きなものの一つだったし、俺自身久々に泡風呂入ってみたくなった。なら最初の夜はこの泡風呂で一緒に遊ぼうじゃないか。でも自宅のバスタブじゃちょっと狭いし、バニーの部屋にはジャグジー付きの少し大きめの浴槽がある。ならば、と思って提案してみた。
「今夜泊まっていい?」
「その手にしてるものは何なんですか?というかその顔絶対何か企んでますよね」
「企んでません。せいぜい泡風呂やろうと思うから、どうせなら自分ちの狭いバスタブよりバニーちゃん家の広いバスタブ使ってやってやろうって企んでる程度です」
「断固拒否します」
「っだ!可愛くねーの!」
まぁ予想通りの反応だったから、仕方なく俺ん家でやるか、と諦めていたときだった。予想外の返答が帰ってきたのは。

「泡風呂って家庭で出来るものなんですか?」

「家でやんなきゃどこでやんの?」
余りに突拍子のない質問に思わず素で返してしまった。
「ホテルとかそういう所でしか出来ないんじゃないですか?」
「まぁ確かにそういうところでもやってるけど」
確かに映画とかのワンシーンであるよな、豪華なホテルで泡風呂。お約束だよな。そんでお前もよく豪華なホテルとか泊まってんじゃね?
ここでふと、一つの疑問と確信が浮かんだ。
「…もしかして、バニーちゃん泡風呂入ったことないの?」
その質問にバニーはあっさり頷いた。予想通りの反応。
そうだ、バニーは四歳の時に両親失って以来、寄宿舎で過ごしてきたんだし、時間があれば犯人への復讐に費やしてたんだ。最近でこそ食べること寝ること、それからセックスを大切にするようになったが、それまでのバニーにはそんなもんにベクトル向けるような余裕は無かったんだ。そう考えれば納得出来たものの何となくそんなバニーが寂しかった。
ならばここは一つ、おじさんが泡風呂初体験のお手伝いをしてやろうじゃないか。
「やっぱりバニーちゃん今日泊めて。そんで一緒に泡風呂入ろうぜ!」
ウィンク付きのお誘いを、バニーはきょとんとした顔で承諾した。